フランス観光開発機構は2023年5月31日、都内で記者発表会を開催し、ディジョン~リヨン~マルセイユを結ぶ広域の観光デスティネーション「ヴァレ・ド・ラ・ガストロノミー 美食の渓谷」をアジア圏で初めて発表いたしました。
この観光デスティネーションは、フランスきっての観光エリアであるブルゴーニュ、オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ、プロヴァンスの三地方が結束し、フランス政府の協力を得て誕生したもの。ソーヌ川とローヌ川の流域623キロを結び、その一帯を「ヴァレ・ド・ラ・ガストロノミー(美食の渓谷)」と命名し、域内で体験できる食関連の観光素材を認定しています。旅行者は「ヴァレ・ド・ラ・ガストロノミー」の公式サイト(valleedelagastronomie.com)から、これら観光素材の情報にアクセスできます。現在までに462の観光素材が「食に関する旅行素材」、「極上の体験プログラム」の二つのカテゴリーで登録されています。
記者発表会の冒頭では、域内の主要エリアのひとつであるオーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地方観光局より国際部長のクリスチャン・ドュシュマンが挨拶に立ち、「日本とフランスは多くの共通点を持つ観光立国であり、なかでも繊細な食文化はどちらも世界で極めて高い評価を得ており、探求が進んでいる。その背景から、ヴァレ・ド・ラ・ガストロノミー(美食の渓谷)のコンセプトは日本の旅行者に大いに気に入ってもらえるはず」と、自信を滲ませました。
「ヴァレ・ド・ラ・ガストロノミー(美食の渓谷)」の意義と内容については、ブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地方観光局 日本市場代表の佐藤昌氏が説明に立ちました。
- コロナ以降、フランスに来る旅行者が旅先に求めるものは、フランスのアール・ド・ヴィーヴル(暮らしの中の芸術)や、本質や伝統に触れる旅へと回帰する傾向にある。そのトレンドに対応し、リピーター向けの旅行デスティネーションとして、「ヴァレ・ド・ラ・ガストロノミー(美食の渓谷)」は最適である。
- 「ヴァレ・ド・ラ・ガストロノミー(美食の渓谷)」を構成するのは、特色ある各地の食文化に触れる観光素材。現在ある462の観光素材は、質の高い観光資源としての認証を受け、ジャーナリストや観光の専門家や著名人からなる特別委員会により選定され認可されたものである。
- 認可には二つのカテゴリーがある。
1)食関連の旅行素材:現地に既に存在するアプローチに依拠する観光素材で、各テロワールの文化的・景観的・歴史的多様性を教えてくれるもの。たとえば、カーヴ見学を通じてブルゴーニュやボージョレ、コート・デュ・ローヌ、プロヴァンスのワインのさまざまなセパージュについて学ぶ、ヴァレ・ド・ラ・ガストロノミーの域内にある様々な特産品(ディジョンのマスタード、ブレスの家禽類、モンテリマールのヌガー、エクスのカリソン、カマルグの米など)について知る、など。
2)極上の体験プログラム:観光客が自分で何かをする参加型アクティビティで、ノウハウを継承する職人たちと特別な時間を体験するプログラム。職人ひとりひとりが忘れられない思い出づくりのために、感覚を総動員して、ほかにはないカスタマイズされた分かち合い時間の時間を体験させてくれます。たとえば、アッサンブラージュの技術を学び自分だけのワインを作ったり、シェフと一緒に地元の生産者を巡り、最後にシェフと一緒にその厨房で料理をする、など。
「ヴァレ・ド・ラ・ガストロノミー(美食の渓谷)」を構成する実際の観光素材については、公式サイト上で紹介され、エリアやカテゴリーごとに選択できます。サイトの使用言語はフランス語と英語。